今週は忙しすぎたので、読めたのは1冊だけ。というわけでその本のレビューになります、ごめんなさい。
本書は開成高校と灘高校の卒業生およそ500人ずつから回収した質問紙調査をもとに、開成・灘/一般大卒の比較や、開成と灘の比較、世代別・職業別の比較など、とにかくちょっとでも有意な差があればとにかくそれについて考察して、新書1冊にまとめ上げる、という、ほとんど職人芸のような本。
教育評論家とか教育ジャーナリストを自称する人たちによって書かれた数多くの「名門校」本が、校長や教師にインタビューしたり、適当に話を聞いた卒業生から適当にイメージを作り上げているのに対し、きちんとした教育社会学の学術書になっているところはさすがである。
おもしろかったのは、その後の仕事やリーダーシップに役立ったかという問いに、部活動は有意ではなく、学校行事が効いていたことで、たぶん中堅校では違う結果が出るのだろう。
地方公立トップ校と比較したりするなどいろんな可能性が広がっていると思うのだが、ともあれ、首都圏と関西圏のトップ校は受験による選抜が十分に可能なので、よほどのことがない限り放し飼いにしておけばよい。そしてそれを「全人教育」という言い方をしている。
いろいろと考えながら読んだし、メモもけっこうとったのだけれど、いざこうして書くとなると・・・う~ん。
来週はいい本探してきます。すみません。
(こ)