明智憲三郎『本能寺の変431年目の真実』(文芸社文庫)

 春休み、家族旅行に出かけました。泊まったホテルには2000冊のミニ図書室があるというので覗いてみた。そこにあったのは、文芸社草思社「だけ」が並べられた本棚でありました・・・。
 ほとんどが自費出版のような本ばかりが、壁一面にずらりと並ぶ中から何冊か手にしてみたものの、やはり素人に毛が生えたようなものばかり・・・。
 その中に、一時期話題になった本を見かけたので、せっかくなので読んでみることにした。

 

 著者は明智家の末裔だという。曰く、本能寺の変の「定説」にはおかしな点が多く、その原因は、学界の大御所が根拠とした史料に創作が加えられているにもかかわらず、歴史界はそのことを批判的に取り上げてこなかったからなのだそうだ。そこで正しく史料を読み解き、なぞ解きを進めていけば、そこからは勝者によって闇に葬られた不都合な真実が浮かび上がるという・・・。
 そこはひとまず気にせず、フィクションだと思って読み進める。
 要するに、家康黒幕説である。

 まぁ、陰謀論とは言わないまでも、そういう解釈もできるんやろなぁ・・・。
 本能寺の変については、大河ドラマでも、「麒麟が来る」と「どうする家康」ではまったく違う解釈が行われ、相変わらず真相は藪の中。

 

 そしてこの本棚には、同じような「ほんとうの歴史」を語るみなさんの熱い思いがずらりと並べられていた。邪馬台国とか太平洋戦争とかあんなことこんなこと。

 あと、ドラゴンズの立浪監督が引退したときに書いた本もあった。立浪氏に指導者の声がずっとかからなかった理由も、立浪ドラゴンズが弱い理由も、よくわかった(今のところ強いけど)。

 

 

 

(こ)