呉兢『貞観政要』(守屋洋訳,ちくま学芸文庫)

正月明けにふらりと入った書店で,呉兢『貞観政要』が平積みになっていた。前から興味を持っていたので,読んでみることに。

唐の太宗(李世民)とその臣下との政治問答集であり,太宗の没後,呉兢によって編纂されたものである。日本では,帝王学の教科書としても名高い。

もっとも,ここ書かれているのは,「臣下の諫言には耳を傾けよう」「自分の感情を抑えて,謙虚になろう」などという,ごく当たり前のことばかりである。このような当たり前のことをなかなかできないのが,人の人たる所以であろう。

個人的には,読書の勧めについて書かれた説話(187頁)がよかった。書物の重要性は,今も昔も変わらない。

貞観政要 (ちくま学芸文庫)

貞観政要 (ちくま学芸文庫)


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