野澤千絵『老いる家 崩れる街』(講談社現代新書)

 オリンピックのマラソン競技ためにサマータイムの導入を検討するとかいう、頭のクラクラするような話を聞いて、この本のことをふと思い出した。

 続々と建設される新築マンションを見ながら、人は減るのに家建てて、どうなるんだろう、とつねづね思っていた。
 うちの実家は京都市郊外なのだが、空き家や空きテナントが目立ち始めていて、京都市でもそうなんだから、日本中こういう光景が普通なんだろうなぁ、くらいの感覚だった。

 きちんとした対策を今とっておかなかったら、過剰となった住宅が日本社会をむしばむ病理となる。
 オリンピックとかリニアとかで浮かれている場合じゃない。2年前に抱いた思いは、さらに確信に近くなっている。

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)

老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書)

 

(こ)