Shinichi Aizawa, Mei Kagawa, Jeremy Rappleye (ed.), High School for All in East Asia: Comparing Experiences (Routledge Studies in Education and Society in Asia)

某雑誌からこの本の書評を依頼されて2400字にまとめなければならず、というわけで今週はこれにかかりっきりでした。

日本、韓国、台湾、中国、ベトナム、香港、シンガポールにおける「高校教育拡大」の比較研究で、欧米のケースをもとに理論化されてきた教育拡大と経済成長の社会経済モデルに一石を投じるものとなっています。

11人の著者はほとんどが30代の日本人あるいは日本を研究の拠点とする若手研究者というのもあまりなかったもので、日本から英語で国際的な研究水準の世に出したというのも教育社会学の世界では珍しく、世界中の大学図書館に日本研究や東アジア研究の基本書のひとつとして並ぶことになります。
そしてなにより、若手研究者に研究資金と4年間の時間を与えればこれだけの成果が出せます、ということでもあります。吉本に100億円出すなら、こちらへもぜひご一考を。

High School for All in East Asia: Comparing Experiences (Routledge Studies in Education and Society in Asia)

High School for All in East Asia: Comparing Experiences (Routledge Studies in Education and Society in Asia)

 

 (こ)