眞邊明人『もしも彼女が関ヶ原を戦ったら』(サンマーク出版)

 前作「もしも徳川家康が総理大臣になったら」はコミカライズもされて映画化までされるそうだが、その続編。前回はコロナの難局を乗り切るためにAIで偉人たちを召喚して内閣を組織した話だが、今回は逆に、メタバースを使ってゲーム企業の「彼女」(みやび)が関ヶ原に乗り込んで西軍を勝たせるというミッションに挑む。

 四箱思考、PREP、ZOPA、DESC、OODAというビジネスの戦略的思考法を用いて、伏見城攻略や木曽川の戦いなどを有利に展開させ、最終決戦の地・関ヶ原で軍師・みやびが徳川家康に決戦を挑む。

 名門ゲーム企業の命運をかけたプロジェクトの行方は・・・?

 戦国武将たちを相手に現代の経営戦略を実践するという設定がユニークでおもしろい。ただ、読後感は前作の方が爽快だった。実世界パートとの行き来があまりスムーズではなく、そもそもメタバースという設定に無理があったように思われる(パラメータがそこまで準備できるとは思えず、なんだかしっくりこない)。ちょっと2匹目のドジョウはいなかったんじゃないかな・・・。

(こ)