2019-11-01から1日間の記事一覧

砥上裕將『線は、僕を描く』(講談社)

新人離れした新人のデビュー作である。砥上裕將『線は、僕を描く』。 不慮の事故で両親を亡くし,「ガラスの内側」の景色しか見えない日々を送っていた「僕」。ある日,偶然にも水墨画の巨匠・篠田湖山と出会い・・・。 水墨画の世界をテーマに描いた力作で…

宇佐美まこと『展望塔のラプンツェル』(光文社)

神奈川県多摩川市。海岸沿いの工業地帯は、日雇い労働者とヤクザとコリアンとフィリピーナと、行き場のない子どもたちが暮らす、暴力が支配する街である。市の北部は瀟洒な住宅街で、そこの住人たちはこのことを知らない、あるいは見ようとしない。 2組の「…