窪美澄『トリニティ』は直木賞にあと一歩届かなかった。決選投票には残ったが,「実在する出版社をモデルとしており,当時を知っている選考委員も多く,厳しい意見が多かった」とのこと。そう言われてしまうと仕方がない気もするが,やはり残念である。次に期待したい!
さて,一方の芥川賞。こちらも受賞したのは古市憲寿ではなく,今村夏子『むらさきのスカートの女』。どんなものか,ちょっと読んでみた。
・・・これは,一種の狂気だねぇ。
近所の「むらさきのスカートの女」が気になって仕方のない「わたし」の話。
文体は軽めでユーモアさえ感じられるのだけれど,怖い。ホラーとかそういうのではなくて,怖い。怖さとおかしさというのは,紙一重なんだな,などと思ったりする。
芥川賞受賞,納得だなあ。おめでとうございます。
- 作者: 今村夏子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2019/06/07
- メディア: 単行本
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(ひ)