橋本治,最後の時評集とのことである(とかいいつつも,今後もまだまだ刊行されそうだが・・・)。世間が何となく一つの方向を向いているときに,「いや,それはどうなの?」と別の角度から意見を投げかける。橋本治の筆は,短くも鋭い。
個人的には,世界情勢を「時計」というキーワードで眺めた「時間は均一に進んでいないの?」(194頁)や,トマ・ピケティを枕に「世界を覆う」理論について懐疑を示した「『世界は一つ』でいいのかしら?」(200頁),SNSからアメリカ・北朝鮮情勢までをばっさり論じた「自己承認欲求と平等地獄」(216頁)などが面白かった。
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2019/02/06
- メディア: 新書
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