小田中 直樹『フランス現代史』(岩波新書)

京都を舞台にした映画「HELLO WORLD」,早速見てきました!
ストーリーは・・・う~ん,いろいろと言いたいところはある。
ただ,京都の街並みの描写は最高!

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さて。

フランス史10講』を読んで,フランスの現代史をより知りたいと思った。そこで読んでみたのがこちら。小田中 直樹『フランス現代史』。

昨年末に刊行されたばかりの現代史の本である。「分裂」と「統合」をキーワードに,1940年代から2000年代までのフランス史を10年ごとに描写していく。とても読みやすく,シャルル・ド・ゴールからマクロンまでの様々な政治家が,生き生きとした姿で目の前に浮かび上がってくるようである。

著者はいう。今日においてフランスは,日本の「モデル」ではなくなったかもしれないものの,依然として「先行者」,すなわち「わたしたちが直面している,あるいは近い将来に直面することが予想されている諸問題について,すでに直面し,対策を模索し,対応や解決に成功あるいは失敗し,その経験によって,わたしたちに正または負の教訓を与える存在」である,と。

「わたしたちがフランス,とりわけその歴史から学ぶべきことや学びうることは,依然として存在しているといわなければならない」(6頁)。かの国の歴史は,私たちにとっても決して無縁の存在ではないのである。


(ひ)