ジョン・クラッセン(長谷川義史/訳)『ちがうねん』クレヨンハウス

大先生、本屋大賞、おめでとうございます!

ホーキング博士の本を紹介した直後に、ブラックホールが撮影されるなんて、これもまた、大先生、やりましたね!

 

さて、この1週間に読んだ本がことごとくハズレだったので、今週は絵本。

 

大人が気に入った絵本と子どもがはまる絵本とが合わないことはたくさんあるけれど、そんな中で、うちの2匹のチビと一緒に何度読んでもおもしろいのが、ジョン・クラッセンの『ちがうねん』。

大きな魚のお気に入りの青い帽子をこっそり盗んできた小さい魚のひとりごとで話は進みます。途中、大きな魚が帽子がないことに気がついて、追いかけてくる。でも、それを知らない小さな魚は、のんびりのんびり泳いでいる。さあ、どうなる・・・!?

この本の魅力は、味のある絵もストーリーもそうだけれど、その雰囲気に、大阪弁(読むときには京都弁に再翻訳して読んでいる)の抑揚とリズムが、ぴったりだということ。

 とったら あかん 
 わかってる。
 ぼくのと ちがう
 わかってる。
 でも ええやん。
 おっきな さかなには ちっさすぎる。
 ぼくに ぴったりやん このぼうし。

大きな声で歌うように読むと、とても楽しいのです。

 

なお、第1作『どこいったん?』もお気に入りで、帽子を取られたクマがウサギを問い詰めたときのウサギのセリフ
「なんで ぼくに きくん?・・・ぼくに きくのん やめてえな。」
は、我が家では、捜し物を尋ねられて「知らない」と答えるときのお約束になっています。

ただし、第3作『みつけてん』は、いまひとつ。たしかにどこか物足りない。

 

無駄を徹底的にそぎ落とし、研ぎ澄まし、そうして子どもの心にすっと寄り添う絵本の言葉は、大人になったからこその楽しみ方がある。 

 

絵本は、奥が深い。

ちがうねん

ちがうねん

 
どこいったん

どこいったん

 
みつけてん

みつけてん

 

 (こ)