スティーヴン・ホーキング『ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう』(青木薫訳,NHK出版)

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北の大地からの初投稿。
 
昨年亡くなられたホーキング博士。その最後の書き下ろし本である。『ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう』。
 
「神は存在するのか?」「宇宙はどのように始まったのか?」など10個の「ビッグ・クエスチョン」にホーキング博士が答えていく形の科学読み物である。最新の研究成果を織り交ぜつつも,時に冗談を交えたその軽やかな文体は,まるで博士がすぐそばにいて語り掛けているようである。
 
個人的には,ちょっと夢のある未来の話の「宇宙に植民地を建設するべきなのか?」と,近い将来が必ずしもバラ色ではないことを示唆する「人工知能は人間より賢くなるのか?」が読んでいておもしろかった。
 
なお,最後の「より良い未来のために何ができるのか?(第10問)」では,現代社会に対する博士の危機意識がにじみ出ている。今を生きるすべての人に向けられたメッセージ,といっていいかもしれない。
 
「大切なのはあきらめないことだ。想像力を解き放とう。より良い未来を作っていこう。」(227頁)―――ホーキング博士の言葉を胸に,僕も頑張ろう。
 
↑ Amazonの写真がおかしい(書誌データは正しいのだけれど)。そのうち直るのかな?

(ひ)