今村昌弘『魔眼の匣の殺人』(東京創元社)

今村昌弘。デビュー作『屍人荘の殺人』のインパクトは大きかった。「このミス」「週刊文春ミステリーベスト10」「本格ミステリベスト10」でいずれも1位(国内部門)を取り,何と本屋大賞でも3位にランクインした。
 
その今村昌弘,待望の2作目である。『魔眼の匣の殺人』。
 
舞台は『屍人荘の殺人』から数か月後。「俺」こと葉村譲は,剣崎比留子とともに,とある山間の集落を訪れるが・・・。
 
正直言って前作のような突き抜けたインパクトまではないし(ある意味「普通のミステリ」に戻った),本作品で味付け要素になっている「予言」とか「予知」とかの位置づけは難しいところでもある。ただ,硬軟取り混ぜた文体で読者をこの世界に引きずり込む力はさすが。ついつい一気に読んでしまった。
 
ところで前作の『屍人荘の殺人』,なんと神木隆之介主演で映画化するそうな。・・・いろいろ大丈夫かなぁ。
魔眼の匣の殺人

魔眼の匣の殺人


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