「虎に翼」が終わってしまいました。最終回の前日に袴田さんの無罪判決をぶつけてきた静岡地裁。法とは正義とは。自由とは平等とは。さらに今日は石破新総裁誕生、桂場のモデルとなった石田氏が立ち上げた日本会議の息のかかった党内極右を吹き飛ばした岸田首相最後の一仕事。
==
図書館の司書さんに、この本知ってるかと言われて手にしたのが本書。話は聞いていたが、恥ずかしながら読んでいなかった。
スポーツに携わるすべての大人たちが読むべき本。
子どもに手を上げ土下座させる監督、組織を守るために口止め誓約書を書かせ被害者を孤立させたチーム、指導者による性暴力、成績のために不正に手を染める子どもたち、鬱状態になった子どもたち、当番という名の親の献身・・・こうしたいびつな体質が、日本のスポーツ界に根強くはびこっている。
実際に、運動部顧問をしていると、指導という名の暴力は何度も目にしてきた。中には保護者の前で公然と行われていて、新興宗教だな、と恐ろしくなった。ストックホルム症候群というやつだろうか。ある名監督とされる先生は教育委員を務めたり子育て講演している。その裏の顔をぼくは知っている、どの口が。
本書の元となったルポが書かれたのが2020年ごろである。
柔道をはじめいくつかの競技団体が勝利至上主義からの脱却をかかげて全国大会を廃止した。怒らない指導というのがキーワードとなって大会も開かれている。
状況は少しずつ変わってきている。しかし、今もなお、有形無形の暴力にさらされ理不尽な支配を受けている子どもたちは、少なからずいる。
暴力に頼らない指導をしていると思っていた他県の強豪校が、実は裏でやっていたことが先日明らかになった。根は深い。
立浪ドラゴンズが低迷し、新庄ファイターズが躍進している。大谷翔平が野球の歴史を塗り替えている。新しいやり方の正しさが示されれば、一気に普及していくはずだ。もう少し。
(こ)