プルースト『失われた時を求めて 第二篇・花咲く乙女たちのかげに I・II』(高遠弘美訳・光文社古典新訳文庫)

やっと読み終えた。プルースト失われた時を求めて』の第二篇「花咲く乙女たちのかげに」。

今回もまた,相当な時間を費やした。

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プルースト失われた時を求めて 第二篇・花咲く乙女たちのかげに I・II』

相変わらず濃密な文章が続く。様々な比喩。次々と展開される芸術論。「私」が延々と語るというスタイルは,第二篇になっても変わらない。

この第二篇は「第1部 スワン夫人のまわりで」と「第2部 土地の名・土地」からなっている。このうち第1部「スワン夫人のまわりで」は,前回からの話の続き。10代だった「私」の恋について語られる・・・のだが,いやこれは恋なのか? 一人で勝手にこじらせているだけではないのか? 中二病か? などと突っ込みを入れながら何とか読破。

そして「第2部 土地の名・土地」。書店で見たときにびっくりした。とにかく大部。解説込みで800頁以上。これを読むのか・・・と思いながら少しずつ読み進める。

前回から2年後。「私」は海沿いの避暑地・バルベックに行き,そこでヴィルパリジ侯爵夫人と会い,サン・ルー侯爵と会い,画家エルスチールと会い,そしてアルベルチーヌと会う。・・・という,これだけの話なのだが,とにかく濃密。絵画論,音楽論から人生論,恋愛論まで「私」の思索が次々と挿入される。というか,「私」の思索と思索の間に,時々ストーリーが挟まれる。これはもう,小説というより思想書哲学書と言ってもよいのではないだろうか。

ところでこの終盤に出てきたアルベルチーヌ。彼女は本作のヒロインなのか? それとも多数の登場人物の一人にすぎないのか? あえて全くの予備知識なしに読み進めているので,この後どうなるのか,楽しみである。



(ひ)