先週紹介した『イチケイのカラス』,公式Twitterによると,何と重版がかかったとのこと。おぉ~。
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さて。
ロースクールを舞台にしたミステリである。五十嵐律人『法廷遊戯』。
法都大ロースクールに通う,3人の学生。やがて1人は弁護士になり,もう1人は研究者としての道を歩み始めた。最後の1人は--刑事被告人に。
ミステリにはいろいろなタイプがある。最初からアクセル全開で飛ばしていくタイプ,途中で小さな山をいくつか超えながら終局まで引っ張っていくタイプ。
本作は,最後の最後にとてつもなく大きな山場を設けているタイプである。
著者は現役の司法修習生という。そのせいか,裁判官や検察官の発言にリアリティがある。本作でメフィスト賞を受賞しており,講談社の専用ウェブサイト(https://houtei.kodansha.co.jp/)では,冒頭部分のコミカライズまで掲載されている。気合の入った売り込み方である。
(ひ)