松岡圭祐『万能鑑定士Qの事件簿 0(ゼロ)』(角川文庫)

「万能鑑定士Qの事件簿」シリーズというのがあった。万能鑑定士・凜田莉子を主人公とする,人の死なないミステリ。一時はよく読んでいた。綾瀬はるか主演の実写映画? そんなのもあったっけ・・。

シリーズとしては終結していたのかと思っていたけれど,それが今回,10周年を記念して完全新作を出した。松岡圭祐『万能鑑定士Qの事件簿 0(ゼロ)』。

時はシリーズ第1作の前年,2009年。凜田莉子が日本とグアムを舞台に,バンクシー,そして漢委奴国王印の謎に迫る・・・!

相変わらず,キャッチーなテーマで興味を招く。どこへ向かうのか先が見えないストーリー。意表を突くトリック。・・いや,もっと簡単で手っ取り早い犯行方法,いくらでもあるでしょ,などと突っ込むのは野暮である。様々なウンチクとともに,今日も凜田莉子の鑑定は冴えわたる(のか?)。

まあ,あれですね。ファンサービスみたいなものですね。あるいはお祭りというか。表紙もバンクシー風で,ちょっとおもしろかった。

万能鑑定士Qの事件簿 0 (角川文庫)

万能鑑定士Qの事件簿 0 (角川文庫)


(ひ)