映画「HELLO WORLD」を見た後,少しモヤモヤしたものが残った。
ストーリーがちょっと破綻しているのではないか。
この点,「原作」に当たる小説版ではどうなっていたのだろう。そう思って,読んでみた。野崎まど『HELLO WORLD』。
・・・そ う い う こ と か !
僕は映画のラストシーンを思いっきり誤読していた。
そりゃ,つじつま合わなくなるよ~。
ネット上の感想とかを見ると,同じ誤読をしているっぽい人,結構いるなぁ。
(誤読をさせてしまう映画ってどうよ,という気もしなくもないが。)
この小説版,ストーリーに破綻はない。っていうか,本当によくできている。映画版はちょっとフワフワしたSFラブストーリー,という印象も強かったが,小説版を読むと,実は硬派なSFであったということがよく分かる。しかも,映画版よりも丁寧な心理描写がつづられているし,何よりもまず,少年の「成長物語」としての側面が強く打ち出されている。
読後感,とてもよかった。
モヤモヤなんて全く残らない。いい小説である。
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で。
ネット上での評判が高かったことから,スピンオフ小説である伊瀬ネキセ『HELLO WORLD if ―勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする―』も読んでみた。・・・いや,いい年して何を読んでるんだという気がしなくもないが(正直,買いづらい表紙とタイトルではある)。
スピンオフ小説といいながら,映画で描き切れなかったところをいろいろ補完してくれる。「開闢(かいびゃく)」って,そういう意味だったのか・・・って映画見ただけでそこまで分かるか~(笑)!!
結論。
「HELLO WORLD」は,劇場版と小説版とスピンオフ小説とを併せて,初めて全貌を理解することのできる物語である。
- 作者: 野崎まど
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/06/21
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HELLO WORLD if ー勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をするー (ダッシュエックス文庫)
- 作者: 伊瀬ネキセ,映画『HELLO WORLD」,堀口悠紀子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/09/20
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