柴田三千雄『フランス史10講』(岩波新書)

フランスとドイツとイギリスの制度調査をすることになり,いろいろ下調べをした上,3か国にそれぞれ短期間滞在していたことがあった。

そこで強く感じたのは,ともすれば「ヨーロッパ」とひとくくりにしてしまいがちなこの3か国は,制度だけでなく,歴史も文化も風土も全く異なる国であるという,今にして思うとすごく当然の事実であった。

そして最近,『十字軍物語』とか『独ソ戦』とかを読むにつれ,ヨーロッパ各国それぞれの歴史をちゃんと勉強したいなあ・・・との思いが募ってきた。手始めにフランスの歴史ということにして,とりあえず読んでみたのがこちら。柴田三千雄フランス史10講』。

古代から近現代までのフランスの通史であり,と同時に,筆者の主観・解釈がふんだんに盛り込まれた作品でもある。特に,フランス革命以降の流れは,とても読みごたえがある。

現代というのは,それ自体が独立しているものではなく,長い長い歴史の上に存在しているということが,強く感じられた(これも当然のことではあるのだが)。

フランス史10講 (岩波新書)

フランス史10講 (岩波新書)


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