伊坂幸太郎『シーソーモンスター』(中央公論新社)

おっつかれさま~っ!
・・・とにかく全力で駆け抜けた1か月であった。
 
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さて。
 
伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8組9名の作家による競作企画「螺旋プロジェクト」。『シーソーモンスター』は,呼びかけ人・伊坂幸太郎自身の単行本であり,中編2編を収めている。
 
1作目の「シーソーモンスター」は,嫁姑の争い。こういう家庭内のテーマ,伊坂幸太郎としては珍しいなあ・・・と思って読み進めていくと,なんだそういうことか(笑)。いつもの伊坂幸太郎ワールドでありました。
 
2作目の「スピンモンスター」は,かつての『ゴールデンスランバー』を思い出させるような,スピード感あふれる「追われる系」の話。・・・おっ,この車,『ガソリン生活』でもちょっとだけ出ていたよね。
 
2作品ともあっという間に楽しく読み切りました。
 
ところでこの「螺旋プロジェクト」とは,「海族」と「山族」の対立を軸に,原始・古代から未来までの日本各地を舞台とした競作企画である。今回の「シーソーモンスター」は昭和後期の東京を,「スピンモンスター」は近未来の仙台・東京を扱った。他の作家による他の作品も,気になるところである。・・・っていうか,朝井リョウも書いてるんだ。ちょっと読んでみたい。
 
シーソーモンスター (単行本)

シーソーモンスター (単行本)


(ひ)