あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
さて,今月半ばに迫った直木賞発表と,その翌週に控えている本屋大賞ノミネートの発表。新年1回目になるこの投稿では,これらの予想をしてみたいと思います。
これまで当ブログ内でせんせいが2回,僕が1回取り上げた森見登美彦。これだけのキャリアを誇りながら,直木賞はまだ未受賞だったところに,今回のこの力作にして怪作『熱帯』がノミネート入りしました。僕も相当,のめり込んだ1冊でもあります。
ネックはその構成。複雑な入れ子構造や,メタフィクションという手法は賛否両論を呼びそうですが・・・。
対抗馬は,垣根涼介『信長の原理』。ただ,蟻の数,ちょっと多すぎない?
発表は1月16日(水)の予定です。
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続いて,本屋大賞ノミネートの予想。過去1年間に出版された全ての文芸書の中から,「いちばん売りたい本」を書店員の投票で選ぶという大イベントです。今年は1月22日(火)にノミネート作10作品が発表される予定です(大賞発表は4月)。
僕の予想は,以下のとおりです。
まずは,若手作家の作品として,瀬尾まいこ『そして,バトンは渡された』と,深緑野分『ベルリンは晴れているか』。
『そして,バトンは渡された』は本当にいい話だったなあ・・・と思っていたら,昨年暮れに「ブランチBOOK大賞2018」を受賞しました! いやあ,うれしい。『ベルリンは晴れているか』は,「このミステリーがすごい!」の2位,「週刊文春ミステリーベスト10」の3位に入っただけでなく,直木賞の最終候補にも入りました。これだけ骨太の作品がきちんと評価されているというのは,やはりうれしいところです。
次に,中堅・ベテラン作家の作品として,伊坂幸太郎『フーガはユーガ』と三浦しをん『愛なき世界』。両作品ともに,安心感・安定感がありました。なお,三浦しをんは『ののはな通信』という作品も出していて,こちらも評判が高いようなのですが,実は僕は未読なのです。
あと,純文学作家の作品として,平野啓一郎『ある男』。読み応えがありました。
これらの中から,1作か2作でも,ノミネート入りするといいなあ・・・。
(ひ)