シェイクスピア『夏の夜の夢・あらし』(福田恆存訳,新潮文庫)

森見登美彦のインタビュー記事を読んだ。『熱帯』のベースとなった先行作品として,「千一夜物語」や「ロビンソン・クルーソー」とともに,シェイクスピアテンペスト(あらし)」を挙げていた。テンペスト? う~ん,実は読んだことがない。どう関係してくるのだろう?

興味が出てきたので購入してみた。福田恆存訳『夏の夜の夢・あらし』。

絶海の孤島。魔法を使う父と,その娘。漂着してきた若い男性。確かに登場人物は森見登美彦『熱帯』と共通するが・・・などと読んでいたところ,最後の「エピローグ」で,ちょっとびっくり。なるほど,そうきたか。そりゃあ,先行作品ですな。

それにしても,福田恆存の訳文は格調高い。昔は「古い文体」だとか思っていたのだけれど(ごめんなさい),今になってみると,その美しさがよく分かる。

本棚を見ると,福田恆存シェイクスピア,既に8冊あった。これで9冊目。もうちょっとがんばれば,コンプリートできるのではないか。

来年もいろいろ読むぞ~。

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

夏の夜の夢・あらし (新潮文庫)

(ひ)