大山誠一郎『アリバイ崩し承ります』(実業之日本社文庫)

「2019年本格ミステリ・ベスト10」の第1位が,早くも文庫化された。大山誠一郎『アリバイ崩し承ります』。
 
商店街にある時計店の若い店主・美谷時乃。店内には「アリバイ崩し承ります」との貼り紙が。新米刑事の「僕」は毎月のように店を訪れて,時乃に事件の相談をする。話を聞いた時乃は・・・。
 
7つの短編からなる短編集で,いずれもアリバイ崩し,というのがおもしろい。時乃はいわゆる「安楽椅子探偵」(現場には出向かずに,話を聞いただけで真相を言い当てる探偵)であり,純粋にロジックの問題としてアリバイ崩しを楽しめる。
 
ところで,この作品,今月から浜辺美波主演でテレビドラマ化されている。あまり期待せずに第1回を見てみたのだけれど(ごめんなさい),意外になかなか良かった。重厚なヒューマンドラマとかばかりではなく,たまにはこういう肩の力を抜いたコミカルなミステリドラマも,いいかもね。
 
アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

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