ジョージ・オーウェル『一九八四年』(高橋和久訳,ハヤカワepi文庫)

映画『キングダム』見てきました!
いや~,思っていた以上によかった!
原作の再現度がすごい! ・・・っていうか,そもそも映画として面白い!!
・・・続編,作るのかなぁ。

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さて。

ゴールデンウィークにちょっと時間ができたので,たまには骨太の本でも読んでみようと思っていたところ,たまたま書店で目に留まったので購入。新訳版のジョージ・オーウェル『一九八四年』である。

言わずと知れた,ディストピア小説の代表作である。

全てを管理・監視する全体主義国家「オセアニア」。その真理省記録局で歴史改竄を担当しているウィンストン・スミスは,ある日,「日記帳に自分の考えを整理して書く」という,禁じられた行為に手を染めるが・・・。

この小説が書き上げられたのは1948年であり,小説の舞台(1984年)は「近未来」に当たる。徹底した管理社会。「ビッグ・ブラザー」「二分間憎悪」「ニュースピーク」「二重思考」などの独自の用語。70年以上も前の小説でありながら,今なおその価値を,そしてその意義を失わない作品である。

物語の序盤,主人公は日記帳に書く。「自由とは2足す2が4であると言える自由である。その自由が認められるならば,他の自由はすべて後からついてくる。」――この言葉の重さ,最後まで読むと本当によく分かる。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)


(ひ)