「グリーンブック」(2018年、アメリカ)

 今週は映画です。

 アカデミー賞は「差別」と「そっくりさん」が交互に受賞しているイメージがあって、今年は差別ものの年だった。とはいいつつも、王道をいく作品づくりで、安心して見ていられるものであった。

 舞台は1962年アメリカ。黒人天才ピアニスト・Dr.シャーリーの南部ツアーのボディガードとして、イタリア移民のトニーが選ばれる。そのふたりが、いろいろな困難を乗り越えて友情を育んでいくという、鉄板ロードムービー。道中のふたりの掛け合いが大半なのだけれど、まぁ、ふたりともうまかった。オスカーをとったのはマハーシャラ・アリだけだけれど、ビゴ・モーテンセンにもあげてもいいですよ。

 なお、タイトルになった「グリーンブック」とは、当時出版されていた、南部諸州で黒人が泊まれる宿泊施設を紹介したガイドブックのこと。

 共同脚本を書いたのは、主人公・トニーの実の息子、ニック・バレロンガ。バレロンガファミリーは、ほんとうにバレロンガ家の人々として、エキストラ出演していたらしい。 

 2019年第91回アカデミー賞、作品賞・助演男優賞脚本賞受賞作。

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(こ)