半藤一利『B面昭和史 1926-1945』(平凡社ライブラリー)

これも待望の文庫化である。半藤一利『B面昭和史 1926-1945』。
 
ベストセラー『昭和史 1926-1945』の姉妹編である。『昭和史 1926-1945』では政治,経済,外交といった「A面」について語られていたのに対し,こちらの本では「B面」,すなわち一般市民(半藤一利の言葉を借りれば「民草」)の生活を丹念に追っている。
 
取り上げたのは,昭和元年から昭和20年まで。言うまでもなく,激動の時代である。
 
巻末の澤地久恵との対談中で,半藤一利は言う。
 
「澤地さんや私たちが今,何をすればいいのかとあらためて考えたんです。それは,後につづく人たちに,もちろん原爆や空襲の被害ばかりではなく,日本の歴史そのものを,そして自分はその歴史をどういうふうに理解しているかをきちっと伝え続ける,語り続けることだと思います。」
 
メッセージ,確かに受け取りました。
B面昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

B面昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)


(ひ)