有名な話ではあるが、京都市民の朝ごはんは、パンである。(京都府のパン消費量は全国1位!)
長らく日本屈指の工業都市であった京都の朝は、老若男女、さくっと食べてとっとと働きに出る、ということなのだろう。
もうひとつ、1人あたりコーヒー消費量の第1位も、京都府である。2017年は2位になったそうだが、堂々の数字である。これはなぜだかわからない。
京大の周りにも同志社の周りにも、寺町にも三条にも、昔から喫茶店はたくさんあって、喫茶店でおいしいパンとコーヒーをいただきながら、本を読んだり書き物をしたり。
進々堂は、京都を代表するパン屋さんのひとつ。内村鑑三の門下生だった初代社長が「パン造りを通して神と人とに奉仕する」ために開いたパン屋さん。
そんな進々堂さんが、京都在住のいしいしんじさんの短編を冊子にして、店頭で配っている。今回で3冊目。
あとがきの社長さんの「ごあいさつ」が、なんか、いい。
私ども進々堂にとりまして、いしいしんじさんの短編小説をお店でお配りすることは、お客さまの日頃のご愛顧への感謝のしるしであると同時に、いしいしんじさんの物語を通して、進々堂がお客さまとパンのある生活の楽しさすばらしさを分かち合えるような、そんな気がしていて、これからもずっと続けて参りたいと思っています。しんじさんが書き続けてくださる限り。
やっぱり、喫茶店のパンとコーヒーには、本が似合う。
(こ)