今週,本屋大賞のノミネート作が発表されました!
ノミネート作10作品のうち,実に7作品が,このブログで紹介したものでした!すご~い!!
この本屋大賞については,また日を改めてレビューしてみたいと思います。
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さて。
今から30年以上も前に刊行が開始されたスペース・オペラである。物語の軸となるのは,帝国軍のラインハルトと同盟軍のヤン・ウェンリーという二人の天才。中高生くらいの頃に最初のブームがあって,コミック化されたりアニメ化されたりしたのだが,僕は全く見ていなかったし,原作であるこの小説も読んでいなかった。
それが,2018年4月から毎月1巻ずつ新装版になって刊行するという。う~ん,今回読み逃すと,一生読み逃してしまうかも・・・と思って読み始めた。
そしてついに,今月発売の第10巻をもって読了。いや~,おもしろかった。
基本的には宇宙を舞台にしたSF小説なのだけれど,テイストとして「政治」が加味されている。これが,エンタメとしても絶妙。特に,ヤン・ウェンリーの発言には何度もうならされた。
・「政治の腐敗とは,政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を,政治の腐敗というんだ」(第2巻)
・「人間の行為のなかで,何がもっとも卑劣で恥知らずか。それは,権力を持った人間,権力に媚を売る人間が,安全な場所に隠れて戦争を賛美し,他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです。」(第3巻)
・「戦争の90%までは,後世の人々があきれるような愚かな理由でおこった。残る10%は,当時の人々でさえあきれるような,より愚かな理由でおこった...」(第6巻)
これを読んだ中高生の多くがハマったのも,よく分かる。今でも色あせない,いや,今だからこそ再読されるべきエンタメ小説である。
- 作者: 田中芳樹,菊地洋子
- 出版社/メーカー: マッグガーデン
- 発売日: 2018/04/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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