植本一子『フェルメール』(ナナロク社・ブルーシープ)

直木賞,予想外れた~!
しかも受賞作,読んですらいない~!!
未読作が受賞するのは,実に2年半ぶりである。う~ん,不覚。

---

さて。

フェルメール。現存する絵はわずか35,6作品程度(真贋等をめぐって争いあり)。いずれも珠玉の作品である。

僕はこれまでフェルメールの絵を追いかけてきた。日本で開催される企画展はもちろん,海外出張の際には,週末を利用して,あちこちの美術館を訪問した。昨年末までに直接見たのは,29作品に及ぶ。我ながら,よく見たものである。

先週,まだ見ていない作品が来日するというので,早速見に行った(上野の森美術館フェルメール展』)。

・・・やはりすごかった。圧倒された。
これで,30作品。

帰り際,ミュージアムショップで買ったのが,植本一子『フェルメール』。

写真家である筆者が,世界各地の美術館を訪問し,フェルメールを見て回るという本である。もちろん写真も豊富なのだが,文章も秀逸。筆者と一緒に,美術館を訪れているような感覚に陥る。「あとがき」には,ちょっと感動させられた。

一般のカタログ本とは大きく異なる,旅情あふれる本。やっぱり,西洋の街にとけ込んだ美術館というのは,いいなあ。

フェルメール

フェルメール

(ひ)