菅野仁『友だち幻想』(ちくまプリマー新書)

売れている本とか話題書とかは普段はあまり取り上げないのだけれど,この本はちょっと紹介しておきたい。菅野仁『友だち幻想』。

友だちとのつきあい方。人との距離感。そういったことに悩む若者向けに書かれた本である。筆者は社会学者。10年も前に書かれたこの本が,今,じわじわと売れている。

読む前は,実は軽めの自己啓発書なんじゃないかとも思っていた。ところが読んでみると,社会学の議論を踏まえつつ,「他者とのつながり」についてしっかりと正面から書かれていた。こういった本を若いうちに読める人たちは,恵まれている。

最後の方に,読書について書かれている。読書は対話能力を高める,と。いい指摘だなあ。

友だち幻想 (ちくまプリマー新書)

友だち幻想 (ちくまプリマー新書)

(ひ)