『枝野幸男、魂の3時間大演説 「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』(扶桑社)

こちら、通常国会末の7月20日に行われた、枝野立憲民主党代表による2時間43分のフィリバスター演説(内閣不信任決議案提出の趣旨説明なんだから、フィリバスター=議事妨害だったのかどうかはさておき。)を、ほぼそのまま書き起こして出版されたもの。数枚のA4用紙に書かれたメモをもとにして、よどみなく3時間近く演説し続け、それがそのまま活字にして十分に読めるレベルなわけだから、まぁ、大したものだ。
(これを扶桑社から出しているところが、またおもしろい。)

中身についても、立憲政治とは何か、保守政治とは何か、という原則論をベースに、いかに安倍政治がそれからかけ離れているかを、ひたすら理詰めで問いかける。

安倍首相の国会答弁をそのまま文字起こししている人がいて、こちらは読むに堪えない代物なのだけれど、そりゃ、ふたりの論戦がかみ合わないのも、当然だろう。

 

この演説の中で、枝野氏は何度も何度も、自民党議員に向かって「保守とはこんなものではないはずだ、今のままでいいのか」と呼びかけている。
ただ、この呼びかけが、届いたのかどうか。あるいは自民党支持者に、届いたのかどうか。
人は理を説き続けても動かない。人は結局、義と情で動くものだ。「枝野立つ!」に人が集まった経緯もそういう感情だったように思う。

当分、政権交代はないのかな、と思わせる、演説だった。 

緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」

緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」

 

 (こ)