NHKーBS1に「最後の講義」という番組がある。今日が最後の一日だとしたら、あなたはどのようなメッセージを残しますか?、というもので、先週の放送では、りえぞう先生が東京女子大学で学生さんを相手に、女性の生きざまについて語っていた。真面目に語るりえぞう先生を50分見る機会はこれまでなくて、ああこの人、賢くて強くて優しい人だというのがひしひしと伝わってきた(先日ご一緒させていただいた、ある日本を代表する経済学者の先生と同じにおいがした)。
講義の内容は『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(一部『この世でいちばん大事な「カネ」の話』少々)がベースとなったものだったが、『上京ものがたり』のイラストがときどき使われていたので、むしろイメージとしてこちらの方が強く残ることになった。
『上京ものがたり』は漫画家・西原理恵子の自伝エッセー漫画で、2005年手塚治虫文化賞受賞作品。
美大に通うため、田舎から東京に出てきた菜都美は、美大の成績は上がらず、水商売したり同棲した男にだまされたりセクハラされたりする中で、下積みから少しずつ認められて、最後は大好きな絵の仕事で独り立ちする。「なにものでもないただの自分」から「なにか」への成長物語。
なんか、きゅん、と胸をつかまれる、そんな感じの作品です。
- 作者: 西原 理恵子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 83回
- この商品を含むブログ (61件) を見る
(こ)