脚本家の夫婦ユニット・木皿泉の5年ぶりにして2作目の小説である。『さざなみのよる』。
43歳の女性・小国ナスミと,彼女の周囲の人々とを描く連作短編集である。NHKのお正月ドラマ「富士ファミリー」のスピンオフ作品なのだが,見ていなくても読める。というか,そもそも僕も見ていなかった。主人公のナスミは小泉今日子で,姉の鷹子は薬師丸ひろ子で,笑子ばあさんが片桐はいりなのだそうだが,言われてみると確かにそんなキャラである。
それにしても,小説家としてのデビュー作『昨晩のカレー,明日のパン』もそうだったが,木皿泉の視線は優しい。人生,つらいことも落ち込むこともあるけれども,「それでいいんだよ。」と,そっと背中を押してくれる。
今度はまた,スピンオフ作品ではなくて完全新作を読みたい。何年後になるのか分からないけれど。
- 作者: 木皿泉
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/04/18
- メディア: 単行本
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