小川糸『キラキラ共和国』(幻冬舎)

小川糸『ツバキ文具店』は良かった。代書屋という(架空の)仕事。人の悩み,想いというものを「手紙」という形で前に進めるというストーリー。そして「母」と「娘」(本当は「祖母」と「孫」なんだけど)の葛藤。最後はきれいにまとまり,よい話だった。

・・・とか思っていたら,まさかの続編が出た。『キラキラ共和国』である。

前作があまりに良かったし,自分の中ではあれで完結していたので,続編を手にするのは少しためらわれたのだけれども,でも「本屋大賞」に最終ノミネートされたということもあって,今回読んでみた。

なるほど。今回は少し,趣向を変えましたね。

前作で話の中心にあった「手紙」は,どちらかというと今回は脇役。むしろ,主人公・鳩子自身の生活の変化とか,気持ちの揺れとかが中心に据えられている。まあ,これはこれで,ありかも。

回収されていない伏線もいくつかある。っていうことは,さらに物語が書き続けられ,シリーズ化されるということだろうか。

キラキラ共和国

キラキラ共和国

(ひ)