和田竜『村上海賊の娘 1~4』(新潮文庫)

ごめんなさい。こんなに破天荒でハチャメチャで面白い戦国時代小説,今の今まで読んでいませんでした。和田竜『村上海賊の娘』です。

村上水軍の娘・景(きょう)を主人公に据え,大阪湾で実際に行われた海戦「木津川口での戦い」を描いた小説です。これが,ぐいぐい読ませる。史実とか常識とかそのような細かいことを吹っ飛ばして,読者を作品の世界にどんどん引き込んでいきます。文庫版では全部で4巻あるのですが,もうね,あっという間です。

この本の魅力は,ものすごく活発で,超人的な活躍をする主人公・景の人物造形にあります。これまでこんな常人離れした女性キャラクター,戦国時代小説で見たことありません。

第11回本屋大賞受賞。今の時代に合っているんでしょうね。

村上海賊の娘(一) (新潮文庫)

村上海賊の娘(一) (新潮文庫)

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