宮下奈都『羊と鋼の森』(文春文庫)

ついに文庫版が出た。なので,このタイミングで紹介したい。宮下奈都『羊と鋼の森』。

ピアノ調律師の話であり,青年の成長物語である。

一人前の調律師を目指して日々もがく主人公。そして,師と慕うあこがれのベテラン調律師。調律先のピアニストの姉妹。宮下奈都の文章はどこまでも静謐で,森の中を静かに進んでいくようである。

今年6月には映画化される。予告編が先日発表されたが,これがまた,すばらしいものであった。お気に入りの作品が映画化された場合,ちょっとがっかりすることも少なくないのだけれど,今回は違う。イメージどおり,いや,イメージを遙かに超えて美しい作品に仕上がっていた。

主人公を山崎賢人,ピアニストの姉妹を上白石萌音・萌歌が演じる。あこがれのベテラン調律師は三浦友和。僕らの世代にはちょっとうれしい。

今から期待したい。なお,公式ウェブサイトはこちら。
http://hitsuji-hagane-movie.com/

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

(ひ)