妹尾昌俊『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』(教育開発研究所)

 あけましておめでとうございます。
 私もみなさまも、今年もよい本に出会えますように。

 2017年は「ブラック教職」「ブラック部活動」という言葉がたびたび Yahoo!ニュース のヘッドラインを飾り、国会でもこの問題が取り上げられることが増えた。中教審の緊急提言も出されたし、ブラック教職関連本が平積みになり、部活動学会なるものの立ち上げられた。
 教師の多忙化については、ずっと以前から研究もあるし、当事者の声も上げられ続けてきたわけだから、「アイディア」と「解決策」と「政策企業家」とが絶妙のタイミングで結びついてアジェンダとして浮上するという、まさに政策形成過程における「ゴミ箱モデル」とか「政策の窓モデル」そのまんまってやつである。

 今年はそういう意味で、学校現場にも「働き方改革」が実際に動き始める年になるのだろう。もちろん他の職種同様に現場の「やりがい」によって支えられる今の体制はいつか限界は来るのだから、改革が進むのは大歓迎なのだが、と同時に、その改革によって換骨奪胎になってしまわないように、きちんとチェックもしていかなければならない。
 そうした議論の出発点となる、教師の働き方について整理した本が、中教審委員でもある妹尾氏による本書。

 というわけで、私も今年はあきらめないで働き方変えて、もっと本を読むようにしたいと思うのです。

「先生が忙しすぎる」をあきらめない―半径3mからの本気の学校改善

「先生が忙しすぎる」をあきらめない―半径3mからの本気の学校改善

 

  (こ)