森絵都『みかづき』(集英社)

f:id:raku-napo:20171230182927j:plain

今年一番面白かった本は,間違いなく辻村深月『かがみの孤城』であった。
他方,今年一番じわっときた本は,こちらである。森絵都みかづき』。学習塾をめぐる,昭和30年代から平成までの,親子三代の物語である。

東京近郊を舞台に,「塾」とは,そして「教育」とは何かが問われる。登場人物たちの熱意。他方で,世間の偏見。次から次へと押し寄せてくる困難。登場人物たち(多くは女性である)は,いずれも,荒波にもまれながらも前進する。

読後感はすごく良かった。あ,いい本に出会えたな,と思った。

今年一年ももうすぐ終わる。来年もまた,いい本に出会えればよいなと思う。

みかづき

みかづき

(ひ)